クリーニング用薬品の性質と用途について
アルカリ剤
1,アンモニア水
無色の極めて強い刺激臭を有する軽い液体で揮発性がある。アルコールに可溶。
油、脂肪酸、インク、血液、食物などのシミに用いる。1〜2%で使用。
(市販品は25%)又アルコールと併用して染料の色泣き品の修正に用いる。
酸により浸された色の復元に使用されるが、高い濃度のものは白絹、
白地の羊毛を黄変させる。(2〜3%酢酸で中和することにより元の白色に戻る)
酸性染料、塩基性染料、直接染料を溶かし出す。
過酸化水素の促進剤としても使用される。
10%以上 医薬外劇物 PH 8,8
2,水酸化ナトリウム (苛性ソーダ)
白色の潮解性の強いフレーク状、結晶塊あるいは粒状である。
極めて強いアルカリ性を示し、強い腐食作用がある。シミ抜きには用いない。
石鹸原料、アルカリ助剤としてランドリーに使われることもある。
毛、絹、合成繊維に損傷を与え、染料も溶かし出す。
5%以上、医薬外劇物 PH 12,6
3,セスキ炭酸ソーダ
白色の結晶性の粉末で水に溶けやすく、石鹸と同程度のアルカリ性を示す。
アルカリ助剤の中でどの繊維にも使用できるので洗剤に使用されている。
シミ抜きには用いない。PH 10,2
4,炭酸ソーダ (結晶水の量によって、ソーダ灰、洗濯ソーダなどと呼ばれる)
ソーダ灰は白〜類灰白色の粉末、洗濯ソーダは無色の結晶塊でいずれも水に溶けやすい。
シミ抜きには使われない。油の乳化性が優れているので、油汚れの強い物のアルカリ助剤として使われる。
又硬水軟化の作用もある。毛、絹に影響あり。
酸性染料、塩基性染料を溶かし出すことがある
PH 11,3 ソーダ灰、洗濯ソーダ PH10,5
5,トリポリ燐酸ソーダ (トリポリ)
白色の粉末で水に溶けやすい。シミ抜きには使われない。
アルカリ助剤としてランドリーに使用されるが、特に硬水軟化の目的での使用の方が多い。
使用法が正しければ弱いアルカリであるので、大抵の繊維に使用できる。
PH 10,4
6,ホウ砂
白色の粉末で風解性がある。水にやや溶ける。シミ抜きには使われない。
糊付けの時に本品をごく僅か0,1%程度添加すると、
仕上がりがシャキッとした風合いになる。 PH 9,4
7,メタ硅酸ソーダ、硅酸ソーダ、オルソ硅酸ソーダ
メタ硅酸ソーダ、硅酸ソーダ、オルソ硅酸ソーダ、オルソ硅ソは白色の吸湿性の強い粉末で水によく溶ける。
シミ抜きに単独で用いられることはなく、
アルカリ助剤として、ランドリーにはメタ硅ソが安価で多く使われる。
毛、絹は強く影響される。酸性染料、塩基性染料にも影響する。
硅酸ソーダは液体で、過酸化水素の促進剤に使用される。
PH メタ硅 11,6 硅ソ 11 オルソ硅 12,2