クリーニング用薬品の性質と用途について
その他
1,亜鉛末
灰色の粉末で、酸、アルカリの中で強い還元性を有する。
使用時には良く砕き固形物にない粉末にすること。
一般には金属はアルカリにはした侵されないが、
アルミニウムや亜鉛末は反応して水素を発生する。
染抜剤として三品作りに使用。
三品の調合
亜鉛末を良く砕き固形物のないようにした上で、酸性亜硫酸ソーダ(亜流液)を加える。
良く混入したらそれに氷酢酸を加える。
ねりの固さはトロトロ程度になる様にするといい。
しばらくすると固くなってくる、熱を持てば成功。
黄変、色ジミ、紋洗いなどに使用。下からコテで熱を加えると効果大。
調合率は、亜鉛末 2、亜硫酸 3、氷酢酸 5
濯ぎの時にそのまま濯ぐと薬の除去がうまくいかないので、
ヘラなどで取るか木綿地に直接表の薬の部分を乗せ裏面からブラシでたたき除く、
中性洗剤などを使用すると容易になる、最後にはベンジンで濯ぐ。
2,塩化ナトリウム (食塩、並塩)
白色の結晶性粉末あるいは塊、水に溶けて中性を示す。
血液や体液、膿などのシミを浮き出させるのに用いられる。(1%前後)
並塩は軟水機のイオン交換樹脂に使用される。
3,硅弗化ソーダ (硅弗化)
白色の結晶性粉末、水に微溶。
シミ抜きには使用されない。ランドリーのアルカリ中和剤として使用。
医薬外劇物。PH 3,1
4,酵 素 (アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ)
一般には、白色か淡黄色か灰白色の粉末、水、温油(40度)に溶かして使用。
最近は安定性の良い液体酵素が開発され使いやすくなっている。
種々のシミ抜き剤で取れない、澱粉質(アミラーゼ)蛋白質(プロテアーゼ)
繊維質(セルラーゼ)油脂質(リパーゼ)によるシミの除去に使用される。
蛋白分解酵素(プロテアーゼ)は絹に強く影響し、繊維分解酵素(セルラーゼ)は
セルロース系繊維に影響するので注意が必要。
又濃度(力価)の高い蛋白分解酵素は、手など皮膚につけないように注意する事。
皮膚についたときは直ぐに水で洗うこと。
5,ホルマリン
無色の強い刺激臭を有する揮発性の液体。水、アルコールに可溶。
焼け焦げ臭の除去に用いられる。又リネン工場で消毒に使用される。
絹、毛は薄めた液でも脱脂されて損傷を受ける。
1%以上、医薬外劇物。
6,ヨウ素 ヨウ化カリウム
ヨウ素は特異臭のある暗紫色の結晶で、水には僅かしか溶けないが、
ヨウ化カリウムを加える(全液量の2〜5%)と水に良く溶けるようになる。
ヨウ化カリウムは白色の結晶又は粉末。
写真現像液の汚点抜きに使用する。(1〜2%)
現像液中の臭化銀をヨウ化銀(黄色)に変え、水で流出させるか、
アンモニア水で溶かし出す。
繊維には安全であるが、白い部分についたヨウ素はハイポ(チオ硫酸ナトリウム)の液で
無色にする必要がある。ヨウ素は、医薬外劇物。
7,ロート油 (硫酸化ヒマシ油)
淡黄色の水溶性の液体。石鹸に次いでもっとも古い界面活性剤。
石鹸より耐酸、耐硬水性をもち浸透力に優れ、かつ乳化力が大。
染色の助剤、インク、泥はね、皮革の柔軟仕上剤に使用される。
浸透性が強力なので色柄物は色泣きに注意すること。
濯ぎを完全にしないと酸化して黄変する。
8,炭酸マグネシウム (炭マグ)
白色の粉末で水に不溶。酸類に溶ける。オキシドールと併用し黄変抜きに使用する。
炭マグを除去した後、アンモニア水の50倍稀釈したものを付着させることにより、
オキシドール中のある種のものを中和する。